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夢の迷路  作者: 岩本翔
372/437

夢の心372

私の歌声を聴いていた下の子が、耳を塞いで頭が割れそうに痛いと言い出した。

私の歌声を聴いていた下の子が両手で耳を塞いで唐突に言った。


「頭痛いよ、ママ」


私が歌うのを止めてマイクを口元から離すと、妻が心配そうに下の子に尋ねる。


「どうしたの?」


下の子が言った。


「パパの歌声、死ね、死ね、死ね、死ねと聞こえるんだ。だから頭痛くなっちゃった」


私は自分の脳裡に入り込んだ地獄の責め苦が矛盾して下の子を責め出したのを感じ取り、固唾を飲み成り行きを見守った。


妻が私を睨み付けてから下の子に視線を戻し言った。


「パパ、もう歌うの止めたから聞こえないでしょう?」


下の子が首を振り答えた。


「まだ聞こえるよ。頭の中で死ね、死ね、死ねと言い続けているよ、ママ、助けて、頭が痛くて割れそうだよ、ママ」

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