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夢の心37
「当然だ、自殺は自分でしか図れないからな」と黒い闇の声は穏やかで無機質な口調で言った。
私は泣き声で喚き散らした。
「ならば僕は何処で、どのような死に方をしたのだ、教えろ?‼」
黒い闇の声が落ち着き払った口調で答えた。
「お前は手首をカッターナイフで切り、出血多量で今病室で横たわっているのさ」
僕は狼狽え尋ねた。
「昏睡状態、なのか?」
「そうだ、後少しで息を引き取る状態なのさ」
私は情けなさにすすり泣き、言った。
「僕の、そ、側に家族はいないのか?」
黒い闇の声が無機質な口調で答えた。
「いない。お前はみなしごだからな」
僕はひとしきり嗚咽した後尋ねた。
「僕は本当に自分で自殺を図ったのか?」
黒い闇の声が穏やかな口調で答えた。
「当然だ、自殺は自分でしか図れないからな」




