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夢の心359
「もう勘弁してくれないか┅」と私は泣き笑いの表情を浮かべて言った。
私は自殺する意気地が無いのならば、殺して貰う選択肢を見出だし、その悦びを再度ひた隠して言った。
「殺してくれ」
妻が答えた。
「そんなの出来ない相談なのは貴方が一番知っているじゃない」
私は言った。
「もう君は僕を十分責め苦しめたじゃないか?」
妻が答えた。
「まだまだよ。貴方にこの無間地獄の塗炭の苦しみを味あわせて上げるわ」
私は言った。
「僕が心の底から謝っても無駄か?」
妻が頷き答えた。
「無駄よ。苦しめるのはまだまだこれからじゃない」
私は背筋に悪寒が走り言った。
「もう勘弁してくれないか┅」




