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夢の迷路  作者: 岩本翔
353/437

夢の心353

「既にお前は喋れないではないか、無理をするな腐れ外道」と白い闇が言った。

私は遮二無二に抗う。


「俺は死なない、お、俺は負けない、俺は負けない、お、俺は死なない、負けて堪るものか!」


白い闇が冷静沈着に言った。


「お前は既に負けているではないか。目も見えず、俺の声も聞こえなくなっているのではないのか?」


白い闇の声が段々聞こえなくなっている事実を隠して私は喚いた。


「き、聞こえる、ぞ、お前の声ははっきりと俺には聞こえる、ぞ!」


白い闇の声が嘲笑い言った。


「既にお前は喋れないではないか」


私は狂おしく喚き散らした。


「喋れる、お、俺は喋れる、お、俺は喋れ、るぞ!」


白い闇が再度嘲笑い言った。


「無理をするな、腐れ外道」

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