35/437
夢の心35
闇の恐怖に怯え「やがてお前は意識を失い、自我が崩壊して死ぬのさ」と黒い闇の声が言った。
私は喚いた。
「貴様は誰だ!」
黒い闇の声が低い声で答えた。
「俺はお前自身の心の声さ」
私は涙声で抗った。
「嘘だ、そんな筈はない。僕の心は美しい桃の花の心ならば、貴様のような死に神ではない」
黒い闇の声が低い声でせせら笑い答えた。
「お前の桃の花の心の正体が俺なのさ」
私は混乱動揺して震えるままに答えた。
「そ、そんな筈はない」
黒い闇の声が畳みかけて来る。
「それが真実なのだから仕方あるまい」
私はすすり泣き言った。
「僕はこれからどうなるのだ?」
黒い闇の声が腹に響く低い声で答えた。
「やがてお前は闇の恐怖に意識を失い┅」
私は固唾を飲み尋ねた。
「意識を失い、どうなるのだ?」
黒い闇の声が哄笑して答えた。
「やがて意識を失い、自我が崩壊して死ぬのさ」




