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夢の迷路  作者: 岩本翔
339/437

夢の心339

「有り難う」と私は女性に礼を述べた。

女性が言った。


「そんな意気地があるならば、生き返る事を念頭に置いた方がいいのではありませんか?」


間を置き私は言った。


「この夢の迷路も黒い闇の快楽も、全て現実世界と同じく肉体感覚を保持出来るのだから、それは明確な意味での死ではないじゃないか。ならば僕は黒い闇の快楽を生の悦びと捉え、それを至上の悦びと捉えたいのだ」


女性が嘆息してから言った。


「そこまで言うのであれば、私は何も言いませんが、当然白い闇の自我崩壊を来す可能性を覚悟して、伸るか反るか、頑張って下さい」


私は恭しく頷き答えた。


「有り難う」

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