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夢の迷路  作者: 岩本翔
334/437

夢の心334

「家族がそれで悲しみ、犠牲になってもいいのですか?」と女性が問いかけて来た。

女性が言った。


「貴方は心の解放、自由を期して自殺を図ったのですか?」


間を置き私は答えた。


「覚えていないから明快には言えないが、そうだと思う。さもなければ僕が家族愛に目覚めない理由が分からないじゃないか」


女性が言った。


「貴方は貴方の本心に則り、家族をも棄てて真の心の自由が欲しいから自殺したのですか?」


私は恭しく頷き言った。


「そうだ、僕は黒い闇の快楽になって、死んで現実社会から解放され、真の心の自由が欲しいのさ」


女性が言った。


「家族がそれで悲しみ、犠牲になってもいいのですか?」


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