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夢の心332
「親に自殺されて悲しむ子供の事を考えてみて下さい」と女性が私を睨み付け言った。
女性がしみじみと言った。
「夢の迷路の貴方の心に対する責め苦は、貴方に家族愛を促したのではなく、快楽死を促したのですか┅」
私は勝ち誇るように言った。
「そんなに落胆しないでくれ。僕はより自分に正直なだけさ。誰だって自分が一番可愛いし、苦痛よりは快楽の方がいいに決まっているのだから」
女性が私を睨み付け言った。
「でも貴方は人の親なのですよ。親に自殺されて悲しむ子供の事を考えてみて下さい」
私はひとしきり瞬きを繰り返してから答えた。
「人の親である前に、僕は一人の男なのさ┅」




