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夢の心329
「この世界にこれから先も殺されないという保証はありませんよね?」と女性が問いかけて来た。
私は落胆しつつ言った。
「そうか、ならば又責め苦に耐えながら、逃げまくり、その方法を探り当てるしか道は無いか┅」
女性が言った。
「今までもそうであったように責め苦に喘ぎながら、逃げまくっても、その方法を探り当てられなかったように、これから先同じやり方をしても、探り当てられないのではありませんか?」
私は腕を組んだまま熟慮してから答えた。
「いや、この世界は僕に責め苦は与えても、殺しはしない事を鑑みて、偶然にしても一度だけ僕は黒い闇の快楽になる事が出来たのだから、その偶然が再度訪れる可能性に賭けるしかあるまい┅」
女性が私を睨み付け言った。
「この世界にこれから先も殺されないという保証はありませんよね?」
私は顎を引き、頷いてから答えた。
「それはそうだが、僕に自殺する勇気が無い以上、選択肢はそれしか無いのだから、正に伸るか反るか賭けてみるしかないじゃないか」




