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夢の心314
「それは貴方が一番心得ているのではありませんか?」と女性が言った。
私は続けた。
「と言うよりも、信じられないついでに、僕が標榜している黒い闇の快楽にこのままの状態で行きたいのだが駄目かな?」
女性が答えた。
「それは無理です」
「何故無理なのだ?」
女性が険しい顔付きをしてから答えた。
「いままで無理だったように、これから先も無理なのです」
私は言った。
「そんなことはこの矛盾不条理世界では断定出来ないだろう。僕は君の言う桃の花の心の持ち主なのだから、逆に転ぶかもしれないじゃないか?」
女性が言った。
「いえ、これまでの推移からして、貴方が黒い闇の快楽になるには、伸るか反るかの賭けに出るしか手段はないと思います。それは貴方が一番心得ているのではありませんか?」




