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夢の心312
「私を信じられない半信半疑の気持ちだからこそ、苦しみから逃げてしまうのですか?」と女性が尋ねて来た。
私は反論した。
「と言うか、僕は君に裏切られ続け、君の言葉が信じられないのは言わば当然じゃないか?」
女性が言った。
「貴方は私を信じられないから逃げてばかりいるのですか?」
私は首を振り答えた。
「いや、これも重ねて言えば、辛く苦しい事から逃げるのは当たり前の事だし┅」
女性が言った。
「私を信じられない半信半疑の気持ちだからこそ、苦しみから逃げてしまうのですか?」
私は頷き答えた。
「それはそうだ」
女性が言った。
「私を信じて下さい。ここまで来て助かる道はそれしかないのだから┅」




