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夢の心31
暗闇の恐怖が私を苛む。
真っ暗闇の中で私は不安と孤独にかられ喚き続けた。
「僕はこの暗闇の突破口を見出だす事は出来ない。それは死んでしまう結果に結び付く事ではないか。それでもいいのか?‼」
何を言っても女性の反応はないので、私は泣きわめいた。
「おい、何とか言え、僕が死ねば貴女も死ぬのだぞ!」
女性はひたすら沈黙を守っている。
私は涙声でまくし立てた。
「そうか、分かった。貴女は僕に語りかけているのだろう。でもこの闇が邪魔をして貴女の声が僕には聴こえないのだ。違うのか?」
女性の反応はない。だが私はその沈黙がもたらす真っ暗闇の静寂から逃れるように話しかけて行く。
「こんな場所に僕を取り残さないでくれ。頼む!」




