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夢の心306
「それがこの異次元空間たる夢の迷路の法則なのだから仕方ありません」と女性が言下に言って退けた。
私は尋ねた。
「再度重ねて言わせてもらえば、その理屈からすると、僕は桃の花の心になって、君の言葉通り塗炭の苦しみを味わったのだから、希薄同士故に相矛盾した確たる存在としての黒い闇の快楽にも到達出来るのではないのか?」
女性が言下に言って退けた。
「それは無理です」
私は尋ねた。
「おかしいではないか。何故無理なのだ?」
女性が静かな口調で答えた。
「それが希薄で曖昧模糊、矛盾して不条理なる夢の迷路という異次元空間の法則だから無理なのです」
私は憤り尋ねた。
「そんなのは無茶苦茶な話しではないか、矛盾して不条理ならば、家族愛も黒い闇の快楽も混沌とした存在で同じではないか?!」
女性が再度言下に言って退けた。
「それがこの異次元空間たる夢の迷路の法則なのだから仕方ありません」




