29/437
夢の心29
「負ければ死にます」と女性はきっぱりと言いはなった。
私は再度すがり付くように言った。
「助言が出来るならば、僕を助ける事も出来るだろう。助けてくれ!」
女性が低い声で答えた。
「いえ、助言は助言なのです。助言では貴方の命を助ける事は出来ません」
私は涙声で喚いた。
「僕はこれからどうなるのだ?」
一拍置いてから女性が答えた。
「助言者たる私の声は遠ざかり┅」
私は促した。
「遠ざかり、どうなるのだ?」
「貴方は身動きも取れず、その漆黒の闇の中で恐怖と孤独といたたまれない不安感に苛まれ、生死を懸けた最後の戦いを強いられるのです」
私は固唾を飲み尋ねた。
「負ければ、僕は本当に死んでしまうのか?」
女性がきっぱりと言いはなった。
「死にます」




