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夢の心289
私は黒い闇の快楽になりたい事をひた隠し答えた。
息を抜き私は言った。
「だからこの世界では死ぬ事と眠る事が同一視されているのか┅」
妻が薄ら笑いを浮かべて言った。
「そんなの常識じゃない。だから貴方は死んで狂った夢を見て甦ったからこそ、発狂したのよ」
私は戸惑い混乱するのを抑えて言った。
「僕はその時空間を自分の意思で調節出来ないのか?」
妻が一蹴するように言った。
「貴方が見聞きした夢でもそうでしょう。そんなの出来るわけないじゃない!」
私はため息をつき答えた。
「それはそうだよな。時空間概念は絶対のものだしな┅」
妻が疑い深い目付きをして尋ねて来た。
「仮にそれが出来るとして、貴方は何がしたいわけ?」
私は黒い闇の快楽になりたい事をひた隠し答えた。
「心を正して君達家族と暮らしたいのさ┅」




