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夢の心259
「僕の心は醜く、美しくなんかないと思う」と私は言った。
女性が断言した。
「絶対にそうだと思いますよ」
私は言った。
「何れにしろ僕にも君にも先がどうなるのか、何が真実なのかようとして分からないようだし、何とも言えないな┅」
女性が言った。
「それはそうですが、貴方の心は桃の心であり、本来的に美しく、その心は生きることを望んでいると私は思います」
私は首を振り答えた。
「悪いが、僕の心が桃の花の心で美しいというのは信じられない」
女性が尋ねて来た。
「どうして信じられないのですか?」
私は答えた。
「君の言葉通りが僕の人生の真実ならば、僕の心は醜く、その醜さ故に僕の心は美しくなんかないではないか」




