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夢の心252
「私が苦しめるのではありません。貴方の心自身が貴方を苦しめるのです」と女性は言った。
私は再度怒鳴った。
「君だってこの迷路の化身だろう、違うのか?!」
女性が無機質な口調で言った。
「今度は開き直りですか。貴方はどうしても自分の罪を思い出したくないのですか」
私は喚いた。
「だから何度も言っているじゃないか、思い出せないものは思い出せないのだ!」
女性が言った。
「思い出して罪を償わないと、貴方は死にますよ、それでもいいのですか?」
私は顔をしかめて叫んだ。
「今度は脅しか?!」
女性が言った。
「脅しではありません。貴方にもそれは分かる筈です」
私は声高に怒鳴った。
「ならば尋ねるが、どうやって思い出せと言うのだ!」
女性が瞬きを繰り返してから言った。
「まだ貴方には苦しみが足りないようですね┅」
私は怯み尋ねた。
「まだ僕を苦しめるのか?」
女性が言った。
「私が苦しめるのではありません。貴方の心自身が貴方を苦しめるのです」




