250/437
夢の心250
「父母を慕う気持ちは愛ではないのか?!」と私は泣き笑いすがり付くように叫んだ。
私は泣き笑い言った。
「でも僕は自分の罪を自覚は出来ないが、望郷の念はあるぞ、それが罪を償うことではないのか?」
女性が冷静に答えた。
「それとこれとは話しが違います」
私は尋ねた。
「僕には望郷の念の本になる父親や母親はいないのか?」
間を置き女性が答えた。
「それは私には分かりません」
私は泣き笑いすがり付くように言った。
「父母を慕い、望郷の念がある事が僕に心がある証拠じゃないか」
女性が静かに答えた。
「いえ、それも違います、望郷の念があっても心がないのが貴方の罪なのです」
私は叫んだ。
「意味が分からない、父母を慕う気持ちは愛じゃないのか?!」
女性が答えた。
「それは貴方の甘えとしての心の逃げ場所であり、けして愛ではありません」




