248/437
夢の心248
「この迷路は僕の記憶を全て喪失させている。だからこの迷路で失われた記憶を取り戻すのは無理だ!」と私は戸惑い嘆いた。
私は戸惑い尋ねた。
「改めて尋ねるが、僕には帰る故郷としての家はないのか?」
女性が答えた。
「ありません。貴方は貴方の心の拠り所たる故郷、家を自ら壊したのですから」
私は苛立ち再度喚いた。
「何故君はそれを僕に伝えなかったのだ?」
女性が答えた言。
「いえ、伝えました」
私は益々混乱して尋ねた。
「僕はそんなの覚えていないぞ」
女性が言った。
「貴方が忘れているだけなのです」
私は今に至る過去の記憶を全部失って行く現実を口に出し嘆いた。
「この迷路は僕の記憶を全て喪失させている。だからこの迷路で失われた記憶を取り戻すのは無理だ!」




