表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の迷路  作者: 岩本翔
241/437

夢の心241

「私には赤ちゃんの声など聞こえません」と女性が言った。

その家具や調度品が明瞭化して克明に見えた刹那、そこから又ぞろ赤子の声が聞こえて来たので私は耳を塞ぎ叫んだ。


「止めてくれ!」


女性が言った。


「貴方の心は苦しみを知り、他人の悲しみが分かるようになりましたか?」


「僕は何も覚えていない。だから苦しいだけで、悲しみなど理解出来ない!」


女性が憐れみを込めた語り口調で言った。


「一人で苦しむからこそ、寂しく悲しみを知り、他人の悲しみも理解出来るのですよね┅」


突如現れた調度品や家具から醸し出される赤子の声に怯え、私は激しくかぶりを振り喚いた。


「苦しいだけで、何も覚えていないのだから、他人の悲しみなど分からない。それよりもこの赤ん坊の声を何とかしてくれ!」


女性がおもむろに言った。


「私には赤ちゃんの声など聞こえません」


私は女性を睨み付け喚いた。


「この赤ん坊の声が聞こえないのか!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ