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夢の心237
「無数の赤子殺しが殺人ではないの?」と不条理に伸縮する道を揺すり笑って、愛人としての妻が言った。
愛人が言った。
「そして私も貴方の子供を身籠り堕胎したから、貴方は二人の赤子を殺した重罪人なのよ」
私はうろたえつつ尋ねた。
「き、君は妻ではないのに何故妻が子供を堕胎したのを知っているのだ?」
愛人がせせら笑い言った。
「ここは夢の迷路ならば私は貴方の奥さんであり、愛人なのよ、そんな言葉で自分の犯した殺人を誤魔化さないで欲しいわ」
私は叫んだ。
「ぼ、僕は殺人なんか犯していない!」
愛人としての妻が不条理に伸縮する道を揺すり笑い言った。
「無数の赤子殺しが殺人ではないの?」




