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夢の心23
「必ず抜け出せます」と女性は言った。
私は泣き笑いの表情を浮かべ言った。
「僕はひたすら苦しみ、逆に貴女に対する愛は抱けなくなっているのだから、僕の心は美しい桃の花の心ではないのだろう、違うのか?」
女性が答えた。
「いえ、貴方の心は桃の花の心なのです、それは疑いようのない事実なのです」
僕は嘆息をついてから言った。
「でも僕は苦しめば苦しむ程に貴女ヘの憎しみが増すから、それが益々苦しみを増大させているのではないのか、ならば僕はこの苦しみの無限ループから抜け出せないではないか?」
女性が答えた。
「いえ、必ず抜け出せます」




