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夢の心228
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね」と理不尽で不条理な道が見知らぬ人々の声で、私を苛み始めた。
私は言った。
「許してくれ、頼む」
すると幾重にも重なる不条理な曼陀羅模様の道から見知らぬ人々の声がし始めた。
その声の群れは蠢き囁き合いながら私を苛んで来る。
曰く。
「桃の花の心は弱肉強食の歌声の餌食であり、食われるだけの心なのだ」
「そうだ、お前の眠る桃の花の心は、そのまま弱肉強食の格好な餌食であり、お前の心はお前自身を食い殺す桃の花の獣なのだ。だからこそお前には自我崩壊の死しかないのだ。死ね」
「火に焼かれて死ね」
「水に飲まれて死ね」
「心ない桃の花のお前は死ぬしかないのだ」
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね」
私は耳を塞ぎ捻れ理不尽な道に向かって叫んだ。
「僕は死にたくない!」




