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夢の心227
「僕は僕自身の心から逃げて黒い闇の快楽になりたいんだ┅」と私はあがき言った。
身動きが取れない私の心が肉体から分離して行くのが分かる。
苦痛だけの肉体感覚から解放されれば、私は何とか夢の迷路の呪縛から解き放たれるのを感じるが、それを無数の声達が許してくれない。
愛人としての子供が言った。
「馬鹿め、己から逃げようとしたって無駄だ、腐れ外道」
私は肉体から強引に心を離そうともがくが、苛む声に邪魔をされてどうしても出来ない。
妻が言った。
「貴方の心そのものがこの夢の迷路ならば貴方はこの迷路の呪縛からは逃げられないわ。腐れ外道さん」
私は小刻みに震えながら言った。
「僕は僕自身の心から逃げて黒い闇の快楽になりたいんだ┅」
妻が不条理にも声でほくそ笑み言った。
「出来るならばやってみなさいよ、腐れ外道さん」




