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夢の心225
「貴方には自我崩壊の絶対の無がお似合いよ」と混沌として蠢く道としての妻が言った。
道が重なり曼陀羅模様の極彩色になり、方位を無化してきりもみ状に拡散流転して、現実感を消失して行く中、
私の心はその混沌の内側にないのに、矛盾して混沌の渦中に巻き込まれ、そのまま自我崩壊して行く予感に私は震えながら言った。
「理不尽な夢の迷路の生か、自我崩壊の死かを選択する勇気は、今の僕にはない」
それを聞いた愛人としての子供が言った。
「お前には自我崩壊する死も勿体ないわ。腐れ外道!」
私は身動きが取れないままに言った。
「ならばせめて普通の死を選ばせてくれないか┅」
混沌として蠢く道としての妻が言った。
「貴方には絶対の無がお似合いよ、腐れ外道さん」




