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夢の迷路  作者: 岩本翔
219/437

夢の心219

「言い逃れよ。現実逃避する為に逃げただけじゃない」と妻としての愛人が言った。

妻が愛人の声で続けた。


「私が貴方を棄てたのではなく、貴方が私を棄てたのよ。不倫を仕掛けて来たのは貴方なのだから」


私は震えながら言った。


「僕は何も覚えていない。悪いのは夢の迷路なんだ」


妻が言った。


「何胡麻かしているのよ。悪いのは全て貴方だから死ぬ事すら出来ず、ここにいて震え上がっているのじゃない、死に損ない」


それに追い打ちをかけるように子供達が愛人の声で言った。


「そうだ、悪いのはお前だ、腐れ外道!」


「死ね、腐れ外道!」


孤立無援のままに私は弁解した。


「罪悪感を感じたから、僕は自殺を図たっと思うんだ┅」


妻が愛人の声で言った。


「言い逃れよ。現実逃避する為に逃げただけじゃない」



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