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夢の心214
「今度は夢の話しなんかしていないで、ちゃんと行って確かめて来たら、腐れ外道さん」と妻が女性の声で言った。
私は言った。
「でも僕は確かに君から住所を教わり、その住所にたどり着いたのだけれどもな┅」
妻が住所の書かれている紙片を差し出し言った。
「貴方が行った住所、この住所と一致しているの?」
私は紙片に書かれた住所を覗き込み読んで、首を傾げ言った。
「いや、細かくは覚えていないのだ。あの区画に入って道に迷った位だからな┅」
妻が女性の声で言った。
「夢の話しなんかしていないで、今度はちゃんと行って確かめて来たら、腐れ外道さん」
私は曖昧に頷き答えた。
「分かった┅」




