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夢の心203
「育児放棄、児童虐待は立派な犯罪じゃない。だから貴方なんか刑務所に行けばいいのよ」と妻がいい放った。
私は白い闇の毒牙から唐突に解放され、妻と子供達がいるリビングに舞い戻った。
子供達が言った。
「パパ、何故私達を棄てたの?」
私は震えながら弁解した。
「いや、パパは何も覚えていないし何も悪い事はしていないのだ。分かってくれ!」
そんな私を指差し妻が子供達をけしかけた。
「パパはね、あなた達を棄てて、他の女に走ったのよ。だから刑務所に行って貰う?」
私は震えつつ叫んだ。
「刑務所なんか嫌だ、僕は何も覚えていない、何も悪い事はしていない!」
妻が冷酷にいい放った。
「育児放棄、児童虐待は立派な犯罪じゃない、違う?」
私は涙ぐみ叫んだ。
「僕は何も覚えていない、何も悪い事はしていない、だから児童虐待もしていないし、育児放棄もしていない!」
妻が言った。
「そんなの裁判所で釈明しなさいよ」




