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夢の心2
女性との愛の問答が繰り返される。
女性が反論した。
「貴方の自己愛を他者への愛に切り替えないと、貴方はその苦しみから逃れられないのです」
私は声を限りに喚き返した。
「自分が死にそうな状況なのに、他人なんか構ってられるか?!」
女性が言った。
「いえ、他人ではありません。それは貴方の中にいる私なのですから、貴方自身とも言えるのですから」
私は納得せずひたすら反論を重ねる。
「訳が分からないことを言うな、そんな方法分かっていたら、とっくに実行しているわ」
女性が言った。
「貴方は心を正し、私を助け出すことを考えて下さい」
私はむきになって反論した。
「だからその心を正す方法論を僕は教えて欲しいと言っているのだ?」
「方法論なんかありません。自身の心を正すと強く念じるしかないのです」