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夢の心199
「ふざけるな、幻覚なんかじゃない!」と私は狂ったように叫んだ。
女性が動じることなく言った。
「私はそんな事は言っていません。貴方は夢の迷路の幻覚を見ているだけなのです」
私は畳み掛けるように喚いた。
「僕は家族に会ったが家族愛になんか目覚めなかった、それどころか君は僕を苦しめ殺そうとしたじゃないか、それを幻覚だと言うのか?!」
女性が答えた。
「そうです、貴方は全て苦しむ為の幻覚を見たのです」
私は叫んだ。
「幻覚ではない、君は最初から君としての妻で僕を陥れ、苦しめ殺そうとしているのだ!」
女性が言った。
「そんな事はありません。全て幻覚です」
私は再度狂ったように叫んだ。
「ふざけるな、幻覚なんかじゃない!」




