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夢の迷路  作者: 岩本翔
198/437

夢の心198

「言った、言った、言った、言った、認めろ」と私は叫んだ。

女性が妻の声で続けた。


「貴方なんか滅びてしまいなさい」


私は驚き耳を疑い言った。


「何か言ったか?」


女性が何食わぬ顔付きをして答えた。


「いえ、私は何も言っていません」


私は食って掛かった。


「言ったじゃないか、妻の声で滅びてしまいなさいと言ったじゃないか?!」


女性が冷静に答えた。


「言っていません」


私は狂ったように喚いた。


「言った、言った、言った、言った、言った、言った、言った、言った、!」


女性が首を振り再度言った。


「私は何も言っていません、夢の迷路の幻覚です」


私は目を剥き叫んだ。


「言った、言った、言った、言った、言った、言った、言った、認めろ!」

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