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夢の心198
「言った、言った、言った、言った、認めろ」と私は叫んだ。
女性が妻の声で続けた。
「貴方なんか滅びてしまいなさい」
私は驚き耳を疑い言った。
「何か言ったか?」
女性が何食わぬ顔付きをして答えた。
「いえ、私は何も言っていません」
私は食って掛かった。
「言ったじゃないか、妻の声で滅びてしまいなさいと言ったじゃないか?!」
女性が冷静に答えた。
「言っていません」
私は狂ったように喚いた。
「言った、言った、言った、言った、言った、言った、言った、言った、!」
女性が首を振り再度言った。
「私は何も言っていません、夢の迷路の幻覚です」
私は目を剥き叫んだ。
「言った、言った、言った、言った、言った、言った、言った、認めろ!」




