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夢の心188
「そんなの信じられない。君は妻と同じように僕を何度も苦しめ殺そうとしたではないか!」と私は喚いた。
私は涙を拭い言った。
「君達二人は僕を愚弄して騙し陥れて取り殺す悪魔ではないか!」
がらんどうの部屋の中女性が再度妻の声で言った。
「私は貴方の愛人ではなく、私は私ですから」
私は訝り言った。
「何故君は、君が僕の愛人だというのを知っているのだ、その言葉は矛盾しているじゃないか?」
女性としての妻が言った。
「夢の迷路は連続しているのです。だからそこで見る悪夢を覗くことは私には容易いのです」
私は再度喚いた。
「だから夢の迷路で連続している悪夢としての君は同時に妻の悪夢だと僕は言っているのだ!」
女性が静かに答えた。
「私はけして悪魔ではありません」
私は言った。
「そんなの信じられない。君は妻と同じように僕を何度となく苦しめ殺そうとしたではないか!」




