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夢の迷路  作者: 岩本翔
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夢の心187

「ここは貴方の桃の花の心を砕く悪夢ではなく夢の迷路ですから、安心して下さい」と女性としての妻が言った。

私は怯えつつ言った。


「妻の家もここも夢の迷路で、僕の心を自我崩壊させる白い闇の悪魔ではないか。それが証拠に君は欺瞞と矛盾だらけの言葉で僕を騙し、何度も陥れようとしたではないか?」


女性が妻の声で言った。


「私は貴方を破滅させたりはしません、私は貴方に家族への愛を説いているだけです」


私は涙ながらに喚いた。


「僕を殺そうとしている者の言うことなど僕は聞く耳を持たない。持って堪るものか!」


女性が私を憐れみ慈しむ眼差しをしながら言った。


「夢の迷路の中で貴方は悪夢を見たのです。でももう安心です。ここは悪夢ではなく夢の迷路ですから」

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