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夢の迷路  作者: 岩本翔
185/437

夢の心185

「うるさい!」と妻は怒鳴った。

妻が続けた。


「そして貴方の夢にまで見る愛人も共々苦しめ抜いて自殺に追い込んでやるわ」


私は妻の身体に重なって見える女性を凝視しつつ言った。


「そんな事をしたら君自身が自滅してしまうではないか」


妻としての女性がせせら笑い言った。


「又そんな絵空事を言って誤魔化すつもりなの」


私は動揺しつつ言った。


「僕には君としての夢の迷路の女性が君に重なってはっきりと見えるんだ」


妻が言った。


「又狂った振りをして一人助かろうとしているわけ」



私は焦り手を振って否定した。


「本当に見えるのだ。信用してくれ、さもないと君が自殺してしまうぞ」


女性としての妻が鼻を鳴らして怒鳴った。


「うるさい!」



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