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夢の心179
「死ねばいいのよ」と妻としての女性が言った。
私は困惑して答えた。
「いや、そんな事は考えてはいないけれども、でも何も覚えていない僕には罪の償いなんか出来ないじゃないか、どうすればいいか分からないよ」
妻としての女性が白い闇のおぞましい悪魔の兆しを、攻撃的な眼差しに湛えながら言った。
「死ねばいいじゃない」
私は泣き笑いの表情をしつつ言った。
「だから死ぬのば構わないけれども、僕は自我崩壊して無に帰すのが嫌なんだ、分かってくれ」
妻としての女性が白い闇の悪魔の触手を伸ばしつつ言った。
「そんなの知った事ではないわ。貴方なんか苦しみ抜いて死ねばいいのよ」




