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夢の心177
「僕は何も悪くない。だから僕は破滅しない」と私は冷静な口調で言いはなった。
怒りに任せて敵対すると、相手の怒りを喚起して、心が砕かれ自我崩壊してしまうので、私は一つ息を抜いてから冷静に告げた。
「ここは既に十分地獄ではないか、だから君は白い闇の悪魔の申し子だと、僕は言っているのだ。違うのか?」
妻としての女性が言った。
「私は私です」
その言葉が矛盾して、何故か私の心の自我崩壊を食い止めたので、私は一層冷静沈着に相手の夢幻攻撃を消滅させるべく静かに言った。
「君は女性なのか、妻なのか、どちらなのだ?」
妻としての女性が私の心に呼応するが如く冷静に答えた。
「私は私です」
私は言った。
「私は私という、その不条理な言葉こそが白い闇の悪魔の証明ではないか?」
妻としての女性が私を睨み付け相反して冷静な口調で言った。
「私は私の憎悪に従い貴方を破滅させるだけです」
私は再度かぶりを振り反論した。
「僕は何も悪くない。だから僕は破滅しない」




