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夢の心167
悪夢と現実の境界線は眠りだと皆勘違いしているが、実は異次元への入口の如く、混じり有って、そこかしこに人を死に追いやる悪夢の入口はあるのだと私は感じた。
着替えながら私は思索を巡らせ続けた。
悪夢と現実にははっきりとした境界線はなく、悪夢がそのまま現実であり、その逆も又真なのだと私は感じる。
悪夢の入口は眠りだと皆勘違いしているだけで、実は異次元への入口の如く、そこかしこに混じり有って口を開けているのだと私は思う。
そしてその現実としての変幻自在な悪夢は私を狂わせ、自我崩壊の死に追いやる悪夢なのだ。
この悪夢から何とか抜け出すべく突破口はないかと策を巡らせなながら腕を組み、ベッドに腰掛けたところで妻がドアを開き、入室して来て私を促した。
「さあ、帰りましょう」




