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夢の心16
「助けてくれ!」と私は叫んだ。
唐突に幼い頃の水遊びの情景が脳裏に浮かび、私はそのまま溺れた。
水など一滴もない交差点で私は息苦しさにあえぎ、転倒して転々とする。
私は叫んだ。
「助けてくれ!」
だが通行人はそんな私を見ても見向きもしない。
私は息苦しさに再度叫んだ。
「おい、誰か助けてくれ↓死んでしまう!」
すかさず女性が言った。
「大丈夫です、貴方は水の中にいませんから‼」
僕はあえぎ叫んだ。
「苦しい、助けてくれ!」
「大丈夫です、貴方は水の中にいませんから、その苦しみは錯覚なのです!」
私は再度叫んだ。
「助けてくれ!」




