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夢の迷路  作者: 岩本翔
154/437

夢の心154

「とにかく僕は貴女を全くの他人の敵と見なし、突破口を開く」と私は素っ気なく言った。

女性が言った。


「矛盾は新たなる矛盾を作り、夢の迷路自体が益々不条理で、理不尽なものになるのではありませんか?」


私は答えた。


「それは構わない」


「何故構わないのですか?」


私は素っ気なく答えた。


「夢の迷路の不条理理不尽さが深化すれば、それだけ僕は苦しむ事になるから、それは逆に黒い闇の快楽に近寄る事になるじゃないか?」


女性が言った。


「いえ、それは違うと思います」


私は尋ねた。


「何が違うのだ?」


女性が答えた。


「そうする事に依って貴方は矛盾不条理が高じ捻れて、逆に家族愛に近寄る事になるのではありませんか?」


私は再度素っ気なく言った。


「とにかく僕は貴女を全くの他人の敵と見なし、突破口を開く」



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