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夢の心154
「とにかく僕は貴女を全くの他人の敵と見なし、突破口を開く」と私は素っ気なく言った。
女性が言った。
「矛盾は新たなる矛盾を作り、夢の迷路自体が益々不条理で、理不尽なものになるのではありませんか?」
私は答えた。
「それは構わない」
「何故構わないのですか?」
私は素っ気なく答えた。
「夢の迷路の不条理理不尽さが深化すれば、それだけ僕は苦しむ事になるから、それは逆に黒い闇の快楽に近寄る事になるじゃないか?」
女性が言った。
「いえ、それは違うと思います」
私は尋ねた。
「何が違うのだ?」
女性が答えた。
「そうする事に依って貴方は矛盾不条理が高じ捻れて、逆に家族愛に近寄る事になるのではありませんか?」
私は再度素っ気なく言った。
「とにかく僕は貴女を全くの他人の敵と見なし、突破口を開く」




