夢の心150
「そうだ、それが正真正銘無意識に於ける僕の本心なのさ」と僕は開き直り言った。
私は困惑しつつ答えた。
「それは僕自身が本当は黒い闇の快楽を求めているのに、心に既に嘘をついているから、逆に苦しんでいるのだろう、きっと┅」
女性が否定した。
「矛盾しているのではありませんか。貴方はこの夢の迷路で自身の心に嘘をつく事を思いついたのであり、その思い付きは最前のものでしょう?」
私は開き直り答えた。
「それが無意識の領域、夢なのだから、そこに最初とか最後とか言った時間概念はないと言ったのは貴女ではないか?」
女性が短く笑い言った。
「理解不能だから開き直りですか。ならば貴方は私の言った通り、苦しみもがいた後、無意識に家族愛に目覚めようとしているのですね、きっと」
私は慎重に歩を進めつつ、苦笑いを浮かべて言った。
「いや、僕の無意識は僕の無意識に違いないから、僕が求めているのは黒い闇の快楽しかないと思う」
女性が反論した。
「それは論理のすり替えですね。黒い闇の快楽にたどり着く為には苦しみが必要なのですか?」
私は再度開き直り答えた。
「そうだ、それが正真正銘僕の無意識に於ける本心なのさ」




