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夢の心15
ならば怖れずに前に進むしかありませんねと女性は言った。
何が起きるのか分からない緊迫した状況の中で私は恐る恐る足を運びながら女性に問い掛ける。
「家がなくてもやはり僕は家を探すべきなのか?」
女性が言った。
「それはそうですね。それしかありません」
私はため息をついてから言った。
「一体何が起きるのだろうか?」
逆に女性が尋ねて来た。
「私に対する思い入れは変わりませんか?」
私は自分の心をまさぐり答えた。
「変わらない」
女性がおもむろに言った。
「ならば怖れずに前に進むしかありませんね」




