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夢の心148
「夢の迷路に在って全ての現象は貴方自身の心の反映なのです」と女性が穏やかに言った。
その激痛が渦を巻き、点に凝縮して私の遠近法を修正して、私の眼差しは修復された。
私は息も絶え絶えに言った。
「何だ今のは?」
すると女性の声が不気味な男の声に変わり言った。
「お前の心が自我崩壊を来たしたのさ」
私は咄嗟に叫んだ。
「うるさい!」
その叫び声に呼応して不気味な声が女性の声に戻り、穏やかに言った。
「どうしたのですか?」
私は嘆息してから答えた。
「白い闇の声が聞こえたのだ、だが僕の空耳だ、気にしないでくれ」
女性が答えた。
「夢の迷路では全ての現象は貴方自身の心の反映なのです」
私は言った。
「夢は僕自身の無意識の産物だからな。何が飛び出して来るかは予測不能だ」
女性が答えた。
「そうですね」




