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夢の心146
「貴方は自分の心に嘘をついて目的を達成するのならば、前に進むしかないじゃありませんか?」と女性は諭し言った。
見慣れた交差点を左に曲がる道順は私の知らない道であり、私はそこで困惑して言った。
「やはり道に迷うのは嫌だな┅」
女性が諭した。
「それでは前に進まないではありませんか?」
私はかぶりを振り答えた。
「道に迷い苦しむのを楽しむ人間はいないからな」
女性が言った。
「でも貴方は自分の心に嘘をついて目的を達成するのならば、前に進むしかないじゃありませんか?」
私は姿なき女性の声に頷き答えた。
「そうだな。それでは僕は道に迷い苦しむとしよう」
私はそう言い見知らぬ道に足を踏み入れた。




