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夢の心134
「本当に鏡は眩しくて気分が悪くなって来たからトイレに行って来るわ」と私は言った。
妻は白い闇の目の化身であり、私を自我崩壊させる張本人なのだという猜疑心を隠しつつ、私は話を続ける。
「やはり僕の愛は演技にしか見えないか?」
「そんなの当たり前じゃない」
妻が鏡を覗き込みながら、ダイレクトに私の手の平を通し反射して、その痛みで私は脂汗が滲み、苦痛を感じつつ話を続ける。
「この世界が夢の迷路ならば、そう簡単には気を許せないからな」
妻がせせら笑い言った。
「この鏡、貴方の演技と同じ位、嘘みたいに眩しくてどきついのよ、気分が悪くなって来るわ」
妻の気分の悪さが、そのま残忍な攻撃性となって私に痛みと苦痛を与え、私自身気分が悪くなって来て吐き気を催し、言った。
「本当にその鏡は眩しくて気分が悪くなって来たからトイレに言って来るわ」




