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夢の心122
「生も死もありません。あるのは夢の迷路だけなのです」と妻もどきの女性は言った。
妻もどきの女性が続ける。
「生は死であり、死は生なのです。だからこそ、ここはその狭間である夢の迷路なのです」
私は狂おしく再度尋ねた。
「ならば、この夢の迷路を突破したら僕は死ぬのか、生きるのか、そのどちらなのだ?!」
妻もどきの女性が答えた。
「生も死もありません。あるのは夢の迷路だけなのです」
私は再度狂おしく尋ねた。
「ならば尋ねるが、夢の永遠遡行が夢の迷路なのか?!」
妻もどきの女性が答えた。
「そうです」
私は泣き笑い混乱しつつ尋ねた。
「この夢の迷路は突破出来ないのか?!」
妻もどきの女性が微笑み答えた。
「貴方次第です」




