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夢の心117
私はピエロよろしく偽善パントマイム踊りを家族に見せている。
慈しみなど微塵もないままに私は子供逹とはしゃぎ遊んでいる。
黒い闇の快楽に真っ向反する偽善的行いに、私の心は軋み震えるばかりなのだが、その演技を面白がり、子供逹は大喜びだ。
「パパ、もう一度踊って!」
催促されて私はまるでパントマイムのような踊りを再度披露すると、子供逹が私に向かって拍手を贈って来た。
私は手を挙げて「ありがとー」と応え、ピエロよろしく奇妙な踊りを続行する。
そんな白々しい光景を妻が冷ややかに眺めつつも子供逹に合わせて拍手を繰り返している。




