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夢の心102
「どうせ、演技するのでしょう?」と妻は言った。
私は再度言った。
「いや、自殺して自我崩壊するのは、やっぱり嫌なんだ」
妻がせせら笑い言った。
「そんなのは自殺しなくたって、狂っている貴方はいつ自我崩壊してもおかしくはないのだから、理屈になっていないわ」
私は迎合するように自分を嘲笑い言った。
「いや、今のところは自殺はしたくはないのさ」
妻が再度冷淡に笑い言った。
「心の無い貴方には私達家族も用は無いのよ。だから貴方が死のうが生きようが私の知ったことじゃないのよ。この理屈は分かるでしょう?」
私は頷き言った。
「だから僕が家族を愛せるようになれば、当面問題は無いではないか?」
妻が意味深に微笑み答えた。
「どうせ、演技するのでしょう?」




