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夜街と夜星(短編集)  作者: 炉灯夜 光都
2/2

昼間と太陽

夜街と夜星、とつながっています。

車の叫び声。住宅街の静けさ。この二つの間の道に、歩く音が鳴り響く。

さっきまでの、怒鳴り散らす会社の上司の声が、まだ鼓膜の中に残っていて、

それを隠すように、慌ててイヤホンをした。

(クソッ)それを発する為に、自分の口が動いていたことを言った後に気づき、

それを飲み込むように、さっき買った瓶の酒を飲む。目の前のようで違う夕日が、

自分を焼き尽くすのではないかと思うほど近かった。

酒の制か?そんな事を思いながら家に帰る。玄関を開けると

(ねぇ、どうだった?どうだったの!)と嬉しそうに聞く妻が居た。

どうだった?どうだったって……

(違うだろ!何故分からない!!)まだ鼓膜に残った声が聞こえる。

俺だって精一杯やったろ!分かってないのはお前だ!何も知らないで偉そうに…

お前に何が分かる!!

(ねぇってば…)

(うるさい!!)その直後に自分の右手に強い衝撃が伝わったのを感じた。

その後、パリーンという音が下から聞こえた。

(うっ!)妻が俺を見上げながら、恐怖と驚愕の入り交じったような顔をしていた。

自分はどんな顔をしているだろうかと、靴箱の鏡で見た。そこにあったのは、とてつもない

【恐怖】だった。急いで車に乗り出す。玄関には、妻と瓶が割れてこぼれた飲みかけの酒があった。

さっきまでの太陽は、夜空の暗闇に押さえ込まれるようにして、

山に沈みかけていた。


時計の針が少し回った頃、男は自分が飲酒運転をしていることに気づいた。

すると急に妻の事が心配にっていた。そういえばこのパフェ屋さんも

妻と来ていたなぁ、と思い出し外を見ていた。

なんとなく窓を開けてみる。

あっ、と思い出したように顔を前に向き直す。すると

目の前に一つのマフラーが飛んでいた。

(あっ)それが本当に自分の発した声かは、分からなかった。

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