夜空と夜星
これから色々な短編を書いていきたいです。
電車の通る音。街の騒ぎ声。夕日を山に押さえ込むように、夜空の暗闇が広がる。
一瞬、街は暗闇に包まれたかと思うと、人工的な輝きが光る。その輝きは昼間の
太陽よりも眩しい。空から街を見おろす月は、この輝きを蛍のようだと
思っているに違いない。小さな光の集合体。その光が集まれば集まる程、一層に輝きを増す。
このカフェの光もその一部なのだろ。不意に、目の前の席に君が現れる。
(遅れてごめん)多分そう言っている。店員が来る。
(パフェを二つ。これで君もいいよね?)首をゆっくり下に下げ、すぐに上に上げる。
時計の針が少し回った頃、君は一つの人工的な光の中から出て、光の集合体の中に居た。
誰かのため息かと思う程の小さな風が、街の騒ぎ声の張本人達の間を通り抜ける。
それはまた、君も例外ではなかった。
(あっ)君が首に巻いていたマフラーが舞う。君は周りも見ずに急いで
道路のマフラーを追いかけた。
自動車
(あっ)それは誰が発した声だったかは、分からない。
真っ暗な廊下に、泣き崩れるおじさん、おばさん。白衣を着た「いかにも」というような人。
そして一緒に居たにも関わらず、何も出来なかった人。その人を、誰一人として攻める事は出来なかった。
電車の通る音。街の騒ぎ声。夕日を押さえ込むように、夜空の暗闇が広がる。
一瞬、街は暗闇に包まれたかと思うと、人工的な輝きが光る。その輝きは昼間の
太陽よりも眩しい。空から街を見おろす月は、この輝きを蛍のようだと
思っているに違いない。小さな光の集合体。その光が集まれば集まる程、一層に輝きを増す。
このカフェの光もその一部なのだろう。だが、
不意に君が、目の前の席に現れる事は
もう、二度となかった。