過去と未来
「過去と未来行けるとしたらどっちに行きたい?」
恐らく自分が答えるとしたら・・・どっちにも行きたくない。
そう答えるだろう。未来なんてどうなってるか分からない。
もしかしたら地球が滅亡してるかもしれないし、人類など絶滅してるかもしれない。
かといって過去に行きたいという訳でもない。
過去に行ったからといって過去を変える事なんてできないのだ。
よく「もっと勉強しとけば良かった―」という学生や、「もっと早く起きれば良かった」
という寝坊したサラリーマンなどいるが、これらはifの話であり、実際そうしなかった
のだからそうなるのは必然であったという事だ。
勉強しないでゲームをしてた過去に戻ってもゲームはするし、
夜遅くまで酒を飲んでいた過去に戻っても酒を飲むのだ。
そういう分かっていてもそうしてしまうのが人間だ。
ただ・・・もし俺、中野 翼が戻るとしたら「過去」だろう。
俺中野翼。24歳。独身。男。中堅レベルの国公立大学を出て
今は東京の某大手食品会社に勤めている。
まあなんというか「普通」である。
ただ俺は大学に入る以前の記憶・・・つまり生まれてから高校3年までの記憶がない。
所謂「記憶喪失」だ
学力等「知識」は残っているのだが、友達との思い出等「記憶」が全くないのだ
両親からは交通事故にあったと知らされた。確かに6年前・・・高校3年の卒業を間近に
控えた4月。俺は病院で目を覚ました。だけど体に傷らしい傷もなく
本当に交通事故にあったのか記憶を失った自分では分からない。
記憶を失う以前の「中野 翼」がどんな人間かは分からない。
卒業式では誰も俺に話かけなかった。当然だろう。
だから俺は精一杯「普通」に生きてきたのだ。
自分がどういう存在なのか分からない以上「普通」に生きるしかなかった。
そんな俺にもある日突然転機が訪れた。
ある日、俺は取引先との交渉の為名古屋のビジネスホテルに泊っていた。
明日の朝は早いし今日は早く寝よう。と夕食を食べ、風呂に入り、ニュースを見ていた。
そんな時、窓をトントンと叩く音がした。
雨か?ここはホテルの7階だ。人等これる訳もない。
しばらく放っておいたが音は止まらない。窓の外を見ようと窓を開けてみると
そこには動物らしい生き物が浮いていた。
うさぎとキツネを足して2で割ったような生き物だ
「やあ!僕はキュウビット!」
なんだこいつしゃべれるのか?
「君は過去と未来どっちに行ってみたい?」
何を言っているんだこいつは・・・俺は混乱して動揺を隠せない。
「どうしたの?早く答えてよ!あっどっちもなしってのはなしね!」
「僕は君を過去と未来どちらかに連れてってあげるよ!」
俺は何がなんだか分からなかったが「過去」と答えた。
こんな訳の分からない生き物夢であろう・・・
でももし本当に「過去」に戻れるなら記憶を失う以前の自分が分かるかもしれない・・・
「じゃあ過去に出発だ!」突然目の前に大きな穴が現れ入った先は俺の生まれ故郷長野の山中だった・・・
初投稿です。
文章力の足りない私ですが、
末永く見守ってやってください